ピッチャーのあけうつし
モンテッソーリ教育の日常生活の練習分野には「あけうつし」があります。
教室では、ピッチャーひとつにしても、こだわりを持ち、子どもの成長に合わせてさまざまなサイズ・素材のものを置いています。
中身は、発達や成長、興味などを考えながら都度入れ替えを行っていて、同じあけうつしでも、何度も繰り返したくなる工夫をしています。
今回は、ゆるめに作った寒天でのあけうつしを前の週に行い、次の週は、色水で行いました。
あけうつしの際には小豆やお米などを入れることもありますが、バラバラと勢いよく床にこぼれてしまって、拾うのが大変、ということも多々あります。
わざとこぼして音を楽しむということもあったりします。
そういったことからの学びもあるとは思いますが、今回の目的は、あくまでピッチャーからピッチャーにあけうつすこと。その面白さを感じてもらいたいという思いから、ゆる目の寒天を使いました。
オレンジ色が寒天です。
お薬を飲むときに使うようなゼリーくらいのかたさです。
お水だと一瞬ですが、寒天だと、ドロドロっとしているので中身がもう一つのピッチャーに移る様子がよく見えますよね。
こぼさないように慎重に入れています。
はじめてなので、ガラスのピッチャー同士がぶつかって大きな音が出てしまうこともありますが、提示を見て、何度かやってみるうちに、子どもたちの動きが洗練されていくのがわかりました。
翌週は、紫色の色水を入れて準備しておくと、
とてもスムーズにできました。
今回のあけうつしの最年少は1歳8か月の子です。
このようなことができると、おうちでも、ピッチャーに飲み物を入れておいて、自分でコップに注いで飲む、ということができますね。
自分で自分のことができるようになると、自信が持てます。自分は何でもできる!とやる気も出て意欲的になります。
子どもが本来持っている、自分でやってみたい気持ちを引き出し、成長につなげられるような援助を心がけています。