ひも通し
「片手でビーズなどを持ち、その穴にひもの先を通して、少し押し進めてから通したのとは
違う反対の手でひもの先をひっぱります。」
大人は何気なくササッとしてしまうことも、こうして文章に書こうとすると
読みにくく、ややこしく感じられます。
モンテッソーリ教育では、このような動きを、基本は言葉で言わないようにしています。
その代わりに、ゆっくりと動きを見せる『提示』を行います。
一つ一つの動きを分析し、通常の7倍くらい遅いスピードで子どもに見せます。
手順を口に出してつい言ってしまいそうになるかもしれませんが、小さなお子さんには
目と耳両方から情報が入ると、注意を向ける方向が多くなってしまいます。初めてやってみる
動きについて、最初に書いたようにあれこれ言われてもわかりにくだけなので、「見る」ことに
重点を置いています。

【1歳半)】
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【2歳(学年は1歳児)】
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【3歳(学年は2歳児)】

【2歳(学年は2歳児)】
年月齢は参考までに載せてみました。何歳だからこの活動を提示するという
ことはなくて、興味(敏感期)に見合った活動を提示しています。
ひも通しでも、カラフルな木製のものや電車の形のもの、お花の形のもの、
作品をリースのようにするためにひも通しの活動をする、など、さまざまです。
ご家庭などでひも通しをしていなくて、まだ興味がないかなと思っていても
見た目で「触ってみたい!やってみたい」と思うこともあります。

作品づくり中の2歳さん。
やらせるのではなく、子どもからやってみたいと思えるような環境づくりが大切です。
ここで言う環境とは、教具や道具類、その配置など。
その環境と子どもを結びつけるのがモンテッソーリ教師の役割です。
お家の方ができないと思われていたひも通し、教室でとても興味をもって
あっという間にできるようになったお子さんもいて、お母さんが驚かれていたことが
印象的でした。
子どもが繰り返し練習して「できた!」ときや、活動に集中して満足するまでできた時と
同じくらい、お家の方が驚いたり一緒にできたことを喜んでくれることを嬉しく思っています。